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膵臓病講座

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第9回 膵臓に優しい生活について

はじめに

全9回に亘る本講座も最終回となりました。今回は、総仕上げとして膵臓に優しい生活について説明いたします。

膵臓は、非常に繊細な臓器です。腹部の奥深くにあり鱈子のように柔らかでありながら、大量の消化液を分泌する等、消化活動の中心を担っています。普段は大人しく、少々の異常では沈黙していますが一度、炎症が起き悪化すると火山噴火のように周囲に様々な影響・被害を与えます。それでは、膵臓に負担をかけない生活は、どうすればよいのでしょう か?

1.暴飲暴食をやめ、バランスの良い規則正しい食生活を心がける
暴飲暴食、刺激の強い飲食物、香辛料等は、膵臓に大きな負担となります。常に腹八分目にし、膵臓を労わる食事を心がけましょう。
(1)脂肪を摂り過ぎない
 高脂肪食の過剰摂取は、膵臓に強い刺激を与え、膵炎のリスクを増加させます。食生活の欧米化・外食の影響で日本人の摂取脂肪量は、昭和30年代の3倍に増加しています。
(2)肥満に注意する
 高脂血症・胆石は急性膵炎・慢性膵炎の原因となりますので、適正体重の維持が重要です。
 BMI:体重(㎏)÷(身長(m))2 =22が適正値です。
 ※BMI:肥満指数
(3)ビタミン、ミネラルをしっかり摂り、食物繊維も忘れない
 ビタミンは身体にとって潤滑油の役目を果たし、食物繊維は腸の働きを整える効果があります。偏食せずバランス良い食事をしましょう。特に、脂肪摂取に偏らず、野菜類を十分に摂ることが大切です。  

 

2.飲酒、喫煙等の生活習慣を見直す
飲酒、喫煙、過労やストレスは、膵臓病の危険因子です。これらの積み重ねが病気を引き起こす前に生活習慣の改善に取り組みましょう。
(1)お酒は程々に、禁酒といわれたら必ず守る
 過度の飲酒は、膵臓に悪影響を及ぼします。お酒の好きな方は、お酒ばかりを飲んだり、つまみも脂肪食や刺激物等、栄養バランスが悪いため、急性膵炎・慢性膵炎に罹りやすい傾向にあります。個人差はありますが、1日3合以上の飲酒を10年間以上続けている方で腹痛がある場合、アルコール性慢性膵炎が疑われます。飲酒量を程々にし、週1~2日はお酒を飲まない日を設けて膵臓を労わりましょう。特に、医師から禁酒を指示された場合は、必ず守りましょう。それには、家族や友人等の周囲の理解と協力も必要となります。
(2)禁煙をする
 喫煙と癌による死亡との関係をみると、膵癌は食道癌に次いで高い危険性を示しています。また、慢性膵炎の方が喫煙を続けると膵癌になりやすいとも云われています。禁煙外来を受診して喫煙習慣を克服すると共に受動喫煙にも注意しましょう。
(3)過労やストレスを避け、軽い運動をする
 疲労やストレスが溜まると身体の様々な機能が低下し、病気に罹りやすくなります。特に、慢性膵炎や糖尿病は、ストレスとの関連性が認められます。  

 

3.定期的に専門病院で健康診断を受ける
急性膵炎や膵癌は、発見が遅れると生命の危機に繋がります。また、慢性膵炎も治療が遅れると生活の質を著しく低下させます。早期発見・治療のためには、定期の健康診断が大切ですが、自治体や企業の健診は検査項目が限られ、初期の膵臓病を発見するのは困難です。また、消化器系では胃・大腸・肝臓等の検査が一般的に行われますが、膵臓病については、焦点を絞って検査しない限り異常を発見できません。
当院では胃の検査に併せて、胃の裏にある膵臓に異常がないかを超音波検査で調べます。熟練した検査技師であれば、膵臓にしこりや嚢胞がないか、膵管が拡張していないか等を観察できます。また、血液検査を実施し異常値を拾い上げます。なお、一度の検査で確定診断に至らない場合1~2ヵ月後に再検査し、前回との変化を比較します。このように漫然と経過観察するのではなく、膵臓に焦点を当てた検査を続けて診断の手がかりを探ります。
次の場合は、至急に専門病院を受診しましょう。些細なきっかけが膵臓病の早期発見に繋がることもあります。
  • 健診で初めて糖尿病を指摘された。または糖尿病が悪化した。
  • 胃の検査は異常ないが、みぞおちや背中に鈍い痛みや違和感がある。 等

まとめ

膵臓は「沈黙の臓器」であり、特に膵癌では手の施しようがない状態で発見されることも少なくありません。一方、膵臓に優しい生活を過ごし専門病院で定期健診を受けることで、膵臓病を予防することができます。本稿が皆様の健やかな生活の一助になりましたら幸いです。

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